手根不安定症

手根不安定症

 手根不安定症とは,手根骨脱臼・骨折に伴う,外傷性の二次性疾患のことです。

 手根骨は2列に配列された8つの小さな骨が関節と靭帯で結合して構成されています。
それぞれを連結する靭帯が断裂あるいは弛緩(しかん=緩むこと)することにより,発症します。
手関節の可動域制限,運動時痛,握力の低下,有痛性のクリック音(手首を動かしたときに,関節がなるような音がすること)等の症状をもたらす一種の症候群を手根不安定症と言います。
手根不安定症は,通常のXP(レントゲン)では見逃されることが多くあります。
専門医によるMRI,各種ストレス撮影(※1)や関節造影検査(※2)などで立証しなければなりません。

※1 ストレス撮影=器具や手で患部に負担をかけた状態でレントゲン撮影をすること
※2 関節造影検査=関節の中に,造影剤や空気を注入して関節内の異常を調べる検査方法

手根不安定症における後遺障害

 本来の捻挫とは,靭帯,半月板,関節包,腱などの軟部組織の部分的な損傷のことです。
今でも,XPで骨折や脱臼が認められないものは単なる捻挫の扱いとされています。

 数週間の安静,固定で治癒するものが多数であります。
もっとも,不十分な固定,その後の不適切なリハビリにより,部分的な損傷が完全な断裂に発展することがあります。
また,完全に断裂していて,手術以外の治療では改善が得られない状態になっていることもあります。
完全に断裂していても見落とされていることもあるようです。

 いずれも,初期に適切な治療が実施されなかったことから,不安定性を残し,痛みや握力の低下などの後遺障害を残したことになります。

 手がジクジク痛みます。握力が低下しているときは,受傷から二ヶ月以内に専門医を受診することをおすすめいたします。
手根骨不安定症が後遺障害として認定された場合は,機能障害で12級6号が認定されたケースがあります。

 12級6号…1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの

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