手指伸筋腱損傷
手指伸筋腱損傷
指を上から見たときの解剖図
伸筋腱損傷について
伸筋腱(しんきんけん)が断裂すると,筋が収縮しても,その力が骨に伝達されることはなく,手指を伸ばすことができなくなります。
切創(せっそう)や挫創(ざそう)による開放性損傷と,創がなくて生じる閉鎖性損傷,皮下断裂があります。
皮下断裂は,突き指などの外力によって生じるもので,これが圧倒的に多数です。
開放損傷により,手の甲で腱が断裂したときは,MP関節での手指の伸展が不良となります。
しかし,手背部の伸筋腱は,腱間結合という組織で隣の伸筋腱と連結しているので,完全に伸展することはできませんが,一定程度までの伸展は可能です。
伸筋腱損傷の症状について
症状としては,手指の関節の伸展が不良となります。
骨折と違い,強い疼痛を伴うことはありません。
DIP,PIP関節の背側での皮下断裂は,放置すると伸筋腱のバランスが崩れ,スワンネック変形やボタンホール変形という手指の変形に発展します(下図参照)。
開放性損傷では,早期に開創し,短縮している腱の断端を引き寄せて縫合しなければなりません。
DIP,PIP関節背側での皮下断裂は,一般的には保存療法で治療し,装具により手指を伸ばした状態で4週間以上固定します。
この間,固定を外さないようしなければなりません。
病的断裂では,手関節背側で生じた皮下断裂は手術が必要です。
断裂した腱の断端同士を縫合ができないことが多く,腱移行術や腱移植術などが行われています。
関連記事はこちら
- TFCC損傷
- ガレアッチ骨折
- キーンベック病=月状骨軟化症(げつじょうこつなんかしょう)
- ギヨン菅症候群
- クロスフィンガー
- ショーファー骨折=橈骨茎状突起骨折(とうこつけいじょうとっきこっせつ)
- ズディック骨萎縮(Sudeck骨萎縮)
- テニス肘(上腕骨外側上顆炎(がいそくじょうかえん)と上腕骨内側上顆炎 (ないそくじょうかえん))
- バートン骨折
- フォルクマン拘縮
- マレットフィンガー
- モンテジア骨折
- 三角骨・月状骨間解離
- 上腕神経叢麻痺 (じょうわんしんけいそうまひ)
- 上腕骨遠位端骨折
- 前骨間神経麻痺 (ぜんこつかんしんけいまひ)
- 反復性肩関節脱臼
- 右手首の腱鞘炎と前腕部の炎症
- 変形性肘関節症(へんけいせいちゅうかんせつしょう)
- 変形性肩関節症 (へんけいせいかたかんせつしょう)
- 尺骨神経麻痺 (しゃっこつしんけいまひ)
- 尺骨茎状突起骨折 (しゃっこつけいじょうとっきこっせつ)
- 尺骨鉤状突起骨折 (しゃくこつこうじょうとっきこっせつ)
- 後骨間神経麻痺
- 手・指の構造
- 手指の伸筋腱脱臼
- 手指の各関節の側副靭帯損傷について
- 手指の欠損について
- 手指屈筋腱損傷
- 手根不安定症
- 手根管症候群 (しゅこんかんしょうこうぐん)
- 手根骨の月状骨脱臼
- 橈・尺骨々幹部骨折 (とう・しゃっこつこつかんぶこっせつ)
- 橈骨神経麻痺
- 橈骨遠位端骨折(とうこつえんいたんこっせつ)、
コーレス骨折とスミス骨折
- 橈骨頭・頚部骨折(とうこっとう・けいぶこっせつ)
- 正中神経麻痺 (せいちゅうしんけいまひ)
- 肘部管症候群 (ちゅうぶかんしょうこうぐん)
- 肘関節と手関節、橈骨と尺骨の仕組み
- 肘関節脱臼 (ちゅうかんせつだっきゅう)
- 肘頭骨折 (ちゅうとうこっせつ)
- 肩腱板断裂
- 肩鎖関節脱臼
- 肩関節の構造
- 肩関節周囲炎
- 肩関節脱臼
- 胸郭出口症候群 (きょうかくでぐちしょうこうぐん)
- 胸鎖関節脱臼
- 舟状骨・月状骨間解離
- 親指CM関節脱臼
- 頚肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)
交通事故・無料相談 弁護士法人前島綜合法律事務所
【受付時間 平日】 10:00-18:00