SLAP損傷=上方肩関節唇損傷
SLAP損傷=上方肩関節唇損傷
SLAP損傷=上方肩関節唇損傷は,肩関節を構成する肩甲骨に付着する軟骨の関節唇が,交通事故外傷で断裂した状態のことです。
正常な関節唇
断裂した関節唇
○印の部分が関節唇で,三角形の形をした軟骨が上下に1つずつあります。
肩関節を構成する肩甲骨に付着する軟骨を関節唇と呼んでいます。
上腕骨と肩甲骨の間に存在し,肩関節の安定,関節の可動性,滑り止めの機能を有しています。
SLAP損傷における後遺障害
① MRIで断裂して剥がれかかっている関節唇=軟骨が,保存療法で治癒することはありません。
時間の経過で,痛みも少なくなり,可動域も一定程度は改善しますが,元通りに治ることはありません。
事例
32歳男性がバイクを運転中に自動車と接触,転倒して,左肩を路面に打ちつけました。
傷病名は,左肩腱板損傷,SLAP損傷と記載されています。
6ヶ月を経過した時点の症状は,左肩痛,左肩関節の可動域制限でした。
MRIで,左棘上筋の部分断裂と左上方肩関節唇の断裂が確認されました。
肩関節の可動域は,屈曲が150°外転が130°内転0°でした。
左肩の痛みは,一時よりは軽減しているとのことであったので,症状固定,後遺障害診断,被害者請求とすることをアドバイス,弊所において外部委託をしている法人が治療先をサポートすることになりました。
相談会から3カ月後に12級6号が認定されました。
示談締結後被害者は,内視鏡下関節唇修復術を受けました。
断裂して剥がれかかった関節唇は,内視鏡下で縫合されオペに要した時間は2時間未満です。
入院4日で退院,職場に復帰し,リハビリ通院は20回で完了,元の可動域まで戻りました。
内視鏡下関節唇修復術は高度な技術であり,その技術を有している病院があれば,早い段階で,この手術が実施されています。
その場合後遺障害は棘上筋損傷の痛みで,14級9号にとどまると予想します。
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