バーナー症候群
アメフト、ラグビー、レスリングなどのコンタクトスポーツで相手と接触した際に、
首が強く横方向に曲げられる、伸ばされたりしたとき、首、肩~手に向かって電気が走る、
焼け付くような痛み、しびれと脱力を訴えます。
バーナー症候群は、頚~肩に走行する神経の束=腕神経叢が一過性に引き伸ばされて起こる症状で、
軸索損傷もしくは神経虚脱に相当するものと考えられています。
交通事故では、交差点における出合い頭衝突で、横方向から頚部に強い衝撃を受けたときに
発症していますが、多数例ではありません。
一般的なムチウチに比較すれば、症状は片側の上肢の灼熱痛、タンスの角で肘をぶつけたときに
起きる痺れがずっと継続している、箸を使用して食事できないなど、深刻で大袈裟なものです。
バーナーで炙られたような痛みから、バーナー症候群と呼ばれているのです。
しかし、これらの症状は、長くても3カ月前後で軽快、消失していきます。
バーナー症候群に限って言えば、後遺障害の対象ではありません。
バーナー症候群における後遺障害のポイント
1)コンタクトスポーツによる受傷では、頚椎の安静と症状が治まってから、
再発予防のための頚肩部の筋力訓練のリハビリが実施されており、症状が緩解するまでは、
スポーツ時は肩パッドや装具を着用が指示されています。
2)交通事故では、大多数で頚椎捻挫と診断されます。
バーナー症候群の傷病名は、整形外科・開業医にとっては、メジャーではありません。
症状を訴えても、基本、相手にはされません。
この記事を読破しておられる被害者は、慌てる必要はありません。
いずれにしても、頚椎捻挫で後遺障害の獲得を目指します。
そのためには、
①リハビリ設備の整った整形外科・開業医で、真面目にリハビリ通院します。
真面目とは、3日に1回、1カ月に10日のリハビリ通院を積み上げていきます。
②できるだけ早く、頚部のMRI撮影を受けておきます。
頚部捻挫では、末梢神経障害が後遺障害の対象です。
そして、末梢神経障害は、XP、CTでは描出できないのです。
左右いずれかの頚部、肩~上肢、手指にかけて重さ感、だるさ感、しびれの症状があれば、
それこそが末梢神経、神経根の圧迫による障害です。
末梢神経障害に対しては、リリカの内服で改善が得られています。
③そして、受傷から6カ月を経過すれば、保険屋さんに治療の打ち切りを打診される前に、
症状固定、後遺障害診断を選択します。
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