心臓・弁の仕組み
心臓は、全身に血液と酸素を供給する、ポンプの役割を果たしています。
全身に酸素を届けたあとの血液=静脈血は右心房から右心室へ戻り、肺に送られます。
肺で酸素が供給された血液=動脈血は、左心房から左心室へ送られ、大動脈を通って全身を循環し、
酸素を届けます。この一連の動きは、途絶えることなく、1日に10万回も繰り返されています。
血液の流れを一定方向に維持するために、心臓内の4つの部屋には、弁が設置されています。
①右心房と右心室にあるのが三尖弁、
②右心室と肺動脈の間にあるのが肺動脈弁、
③左心房と左心室の間にあるのが僧帽弁、
④左心室と全身をめぐる大動脈の間にあるのが大動脈弁です。
弁の疾患として、よく耳にするのは、心臓弁膜症です。
これは、老化などの原因で心臓の弁に肥厚や変形が起こり、
正常に機能をしなくなった状態のことで、弁が十分に開放しないものを狭窄症、
完全に閉鎖しないものは、閉鎖不全症と呼ばれています。
心臓弁膜症のうちもっとも多いのは僧帽弁の障害によるもので、
僧帽弁狭窄症では左心房から左心室への血液がうまく流れず、左心房圧が上昇して肺うっ血を発症、
左心房内での血液うっ滞により生じた血栓が原因で脳梗塞を発症することもあります。
僧帽弁閉鎖不全症では、左心房から左心室へ流れる血液が一部逆流するために、
左心房への負担が増大して心房細動などの不整脈や心不全症状が現われます。
ここで解説をするのは、外傷を原因とした弁の損傷で、代表的なものは、ピストルの弾丸、
鋭利な刃物による穿通性心臓外傷です。
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